夢日記2022/07/16

夢の中で通っていた学校の友人らと、船(クルーザー?)に乗ってホテルへ行く。座席は露天で、足のすぐ先に暗い水がある。夜かどうかは分からない。
左手側に手すりがあり、そこにクリップが複数置いてあった。「絶対に落とすな」と書いてあった。ひとつ落とした。船が止まり、操縦士が水面に目を走らせ、また出発した。
今度は全部落とした。また船が止まった。倉庫も設置されている浅瀬で、全員が下ろされた。各々網を持たされ、落ちたものを探しにいった。先生と2人残され、少し話をした。先生は自動販売機から声がしていた。というか自動販売機だった。話をしている途中で、販売機の一番上の棚に置かれていた巨大な透明の壷が泡立ち始め、二色に分かれていた壷の中身が混ざり、オレンジ色の液体になった。先生は死んでしまった。

舞台はホテルの広間に移り、先生を殺したのは誰かという話し合いをしていた。言い出せなかったし、自分のせいではないとも思った。
ひとりでホテルのなかを歩いていると、大きなサロンのような部屋の扉から、扉のガラスの部分に手をついて外を見ている少年と、椅子に座った人体模型が見えた。人体模型も子供の大きさで、時おりまばたきをしていた。2人とも霊のようだった。そっとその場を離れた。皆が集まっている食堂に戻ったが、犬の霊が乗り込んできた。

食堂でいきなりビュッフェパーティーが始まった。何体もいる霊がそれぞれ美味しそうな料理を提供してくれて、皆舌鼓を打った。個人的には、食堂の外に並んだ6種のパンが美味しかった。他の友人らはパンの列を興味無さそうに通りすぎてしまったので、霊たちを元気づける気持ちで「とても美味しいです!」と言った。そのとき言語化したので憶えているが、バニラビーンズたっぷりのデニッシュとか、中がとろりとした塩パンとかがあった。褒められて、霊たちは喜んだ。

そのとき、1年前も同じことをしていたと思い出した(正確に言えば、そう思い込んだ)。1年前は何か後ろめたいことをやってしまって、ホテルの自室に引きこもっていたから、こんなにおいしい思いはできていなかった。それは先生を殺したことだったかもしれない。夢のなかで、毎年繰り返しているのかもしれない。

夢日記2022/04/07

学校にいて、既に持っていた本を買ってしまったと落ち込んでいたはずが、実家に帰ってきていた。
誰もいない。自室にいたが居間に移り、やはり誰もおらず不安な思いをした。
物音がして、裏口から父母がスーツケースを持って帰ってきた。どこに行っていたのかは分からなかったが、父の機嫌は悪かった。
祖母が来た。相変わらずぼけている。父母はいつになく、具体的な説明を祖母に求めたり、数字で説明したりする。その内容が壁際のピアノの上の液晶画面に映る。しかしずっとそうではなく、画面には妙にデフォルメされた知らないキャラクターなども映る。
祖母は、いずれ自分が死にかけたときのためにAEDをしかるべき場所に置いてくれと、知らぬ場所の住所を書いて母に渡した。AEDではなくADと書いてあって、それすら書けなくなったのかと思うと哀れだった。本人は自分の賢い提案に得意気だった。

祖母は教師だったが、母が児童虐待関係の仕事をしたことで、教師の資格を失った、と母が語った。母のせいではないと思ったが、言えなかった。
目を閉じると、知らない絵本の知らない一説が浮かんできた。
じっか月のあいだ 見とらんといけん。まあ、その間母親はなんもすりゃあせんけどね。そりゃそうよ。母親なんてわしらより多くを見とるんやから。不条理なことなけど。
子供が乳を吸わないのを、母親はなにもせず見ているという話か。書体がいやに武骨で、イラストは寒村の夫婦のようだった。
祖母は帰った。祖母も祭りに行くらしい。

こちらも祭りに行くつもりだったのに、すっかり遅くなった。友人に連絡しようとLINEを開く。カメラロールに知らない写真が4枚ある。
最初の2枚は、市街地を走る体操服の人たち。運動会で、自分が車の助手席から妹を撮影したものだと分かった。もう2枚は高校の制服を着た自分と妹。これは誰が撮ったのか分からない。祖父に関係あるような気がするし、ついさっきのことのような気もする。外は薄暗くなりかけている。

祭りに行くため、電車に乗ろうと妹と共に線路へ行く。反対側の電車が通って、踏切から貨物列車がせりだしてくる。こちらに来るらしい。抗議の意味か、妹がホームに水をかける。ホームが濡れ、雨が降り始める。ホームの地下に逃げて着替えようと促す。
すると妹が「みかんなら横にある、私がたまにもらってる」と言う。実際あった。しかし箱の中には平たくなったみかんと、泥。雨が入り込んで取り出せない。みかんごときの盗みで権利を失うのも嫌だ。ホームの横穴に身を突っ込んで、狭い中を下っていく。

夢日記2021/11/17

バイクか車か自転車か、自分の乗っていた乗り物が道路上で止まってしまう。バイクがその横を通りすぎていくので、おちおち移動できない。なんとか歩道に逃げる。広場には、妙な色の桜が咲いている。赤、桃、緑、黄の桜霞。自分の仲間らしいのが複数人いて、集まってくる。
時間がないと言うから、誰か女と一緒に風呂場へ行く。男風呂からは人がよく白い靄の形で出てくるが、女風呂はからっぽ。暗い。滑って腰を打つ。シャワーで湯を浴び、頭を洗う。連れの女は黒い靴を履いたまま、シャワーを浴びている。
もう出なければと言われ、服を着る。風呂場の壁に手を掛けると、次の部屋に続いていた。
大きなテーブル上に、豪華な食事が出る。顔を青と緑に塗ったまた知らぬ女がやって来た。こちらに笑顔で手を振ってきたので知り合いかと思い、凄いな、頑張ってと声をかける。改めて食事する。時間がない。
皿に大量に載った飾りのうち、青い薔薇二輪を食べたくて口に含む。やはりチョコレート菓子だった。服、左腕、顔、粒の連なった羽のようなものが組み合わさって、薔薇のように見えていたらしい。食べながら舞台裏へ。
さっきの女がおどろおどろしい演技をしている声が聞こえる。寿司屋の大将のような服装の男が明太子を皿に並べて持ってくる。あの化粧は臭いからこれでごまかすといい、と言う。こちらは菓子を食っているのでよく分からない。
黒っぽい着物を着た母が、やはりその菓子は飾りだったんだから、食ってはいけなかったと言う。そんなことを言われても、もう食べてしまった。テーブルに連れていかれ、席に着く。奥にサラダ、手前にウサギの丸焼き。皆食べ始める。

夢日記2021/08/26

パジャマ姿で一列に並び、何かを取って戻ってくる、何らかの遊びを外でやっていた。家に帰ると、兄が死んだという連絡があった。連絡があったという確信が頭の中に浮かんだ。
家は白いアパートのおそらく1階で、玄関のすぐ横に洗面所がある。隣家の様子が壁の隙間から見える。間をおかず父(実際とは違う)が帰ってきて、険しい顔で洗面所に行き、ネクタイをほどいて首をくくり始める。お父さん、どうしてですか、お父さん、お父さん! と叫ぶが父はとまらない。絶命した父の開いた目が、鏡越しに自分を凝視する。
自分の声に気づいた隣人がやってきて、どうしたと言う。父を見て、「死ぬ瞬間を見たのか」と自分に尋ねる。頷く。「かわいそうに」と隣人が言う。父を下ろし、隣人の携帯で救急に連絡しようとするが、結局しない。父を床に寝かせ、どこかに移動させた。
キッチンを漁る。引き出しから妙な物音がする。ベランダを見ると、何があったのか倒れた友人が息を吹き返しているところで、もう1人の友人に付き添われて去っていく。家は真夜中の自宅になっている。家の中には隣人の他にもいて賑やかだが、父の死体が怖いから、明日の夜は誰かの家に泊めてもらおうと思う。父を収納したのは風呂場だった気がしてくる。
違うよ、出してよ、といった甲高い声が立て続けにキッチンの引き出しから聞こえる。隣人が「これは違う」と呟き、一挙に夢からさめた。

夢日記2021/08/23

水底を歩く黒猫のニュースを見る。どこかの海岸が映し出され、波を透かして海の中を歩いていく猫の姿が見える。アナウンサーが不思議がってニュースが終わる。

バスで移動中にため池の脇を通り、池の底で当の猫が歩いているのを見かける。バスの運転手がそれに気を取られた拍子に、タイヤが道を外れる。バスはつんのめって回転しながら落ち、猫のすぐそばに着水する。バスの車内なので濡れずにすんだが、足は水に浸かったように冷たくなって、心臓が縮み上がる。

気がつくとそこはため池ではなくプールの中で、反対側のプールサイドに同行者たちが待っている。水から出て歩き、彼らと合流する。

学校にいる。廊下には、教室の方を向いてパチンコ台かスロットマシンかがずらりと並んでいる。とは言え実物をろくに知らないためか、ちゃちなつくりをしている。何人か女子高校生がその前に座っている。自分も座ろうと思うが、何かためらわれて立ち止まる。教室から高校時代の知り合いがやはり制服で出てきて、機体を拭き始める。現在の知り合いが現れ、自分は窓の外を眺めながらそちらと話をする。

夢日記2021/05/26

ギリシアの劇に出演している。軍勢か独裁か、何か力のあるものが迫っている。自分は人が殺され倒れている道路に面して、塀に腰かけて台本を読んでいる。不意に左から剣で首を刺され、塀から転げ落ちて道に倒れる。目は開いたままで、痛みもない。そのまましばらくじっとしている。
男が近づいてきて、起きろと言う。言われた通り起き上がる。そういえば劇だったなと気づく。他の倒れていた人々は放っておいて、男に連れられ廊下を渡った先の部屋に行く。部屋というより学校の端にボロボロの日本家屋が接合して、その家に入っていく印象。曇った磨りガラス、柔らかい畳、家の奥には巨大な雛壇があり、薄暗く、雛人形でないものがひしめき合っている。ここで怪異を祓うらしい。
入り口に戻ると中年女性がいて、左手に持ったコケシを見せて祓ってくれと言う。女性の右手側には丸顔の少女がいて、ニタニタ笑っている。変だなと思ったが、男(このあたりから女か男か分からなくなってくる)はコケシを手に奥へ戻っていくので、後を追う。怪異は薄暗い部屋の中で少年の形をとって現れたが、男に祓われ、煙のようになって家の外へ逃げ去った。丸顔の少女はやっぱりニタニタしている。

その後、男に怪異を祓う仕事を任命され、実家の2階に行く。人が大勢いるが、そこに怪異も交じっている。先ほどの中年女性と丸顔の少女がいる。女性は少女に気づいているのか分からないが、自分は少女を怪異だと思い、殴りかかる。少女は激しく抵抗する。殴り合いの末自分が少女に勝ち、天井から血がザーッと降り注いで、少女がやはり怪異であり、無事祓われたことが分かった。
部屋の隅を見ていて、その辺りをうろつく真っ青な顔の小さい女の子が目に入った。白い着物を着ている。何度か目が合った気がする。こたつにいる知り合いに近づき、自分もこたつに入ろうとするが、そこへその青い顔の少女がちょこちょこ歩いてきて、こたつ机の上の何かを取ろうと手を伸ばす。誰もそれに気づかない。青鬼だなと思ってその子の後頭部を親指で押すと、弱い悲鳴を上げてあっけなく潰れ、とうとう指でこねて殺してしまった。
祓ったことになるのかと思い背後を振り返ると、その子の兄らしい鬼(丸鬼だと思ったが、丸鬼って何だ?)がずんずん身体を大きくしていくところで、許さないとか、俺がお前を殺すとか、そんなことを言いながら顔が赤くなり身体は逞しくなる。鬼ごっこが始まると思って立ち上がり、逃げ出そうとして、目が覚めた。

夢日記2021/06/13

広い家屋の中で食事を出され、味もよく食感も面白く喜んで食べていたが、誰かに指摘されてよく見てみると、それはトロ箱いっぱいのミドリガメで、各々ちょこまか泳いでいるのを箸で取って噛み砕いていたらしい。全部は食べなかった。

真っ暗な家屋に入る。向かいから人が歩いてくるが、幽霊のようにも見えて怖いので、むしろ元気に挨拶しながら通る。ランドセルの少女、子連れの母、奥へ行くほど薄明るく、角を曲がると格子窓がある長い廊下で人が数人いる。1人の中年女性と親しくなる。格子窓の外を眺めているうちに眠くなってくる。幸福感が体を浸す。

階段やエレベーターを渡って複雑な建物内を行き来し、何かを探している。喋るぬいぐるみと、話はしないが自分の意思で動くお風呂のアヒル(青緑色)。それらを最初は避けて売場のワゴンに置き去りにしたが、自分たちで脱出したらしくまた一緒に行動する。
用事を終えて依頼した場所(図書館らしいどこか)に入ると、依頼の通りおやつが置いてある。巨大な杯に分離した何らかのジュース、広い白皿に転がしてあるバナナ、旨そうではない。置かれて2日目だから。連れが何これ?と不思議そうにしているのを背中で聞きながら、しかし食べることはしなかった。