夢日記2020/07/02

大学の友人数名と一緒に駅から出た。どこの駅かは分からないが、真っ白な新しい駅である。旅行(あるいは合宿か)の自由時間を使ってここまで来たのだ。地図が目の前に広がり、今いる場所と、目的地が示される。目的地は島。「泉◯博物館(名前は定かでない)」と書いてあったように思う。周辺の地名も「泉」の字が入っているものばかりだった。「旧玉泉館」など見覚えのある名もあった。地図に描かれた地形の輪郭はおどろおどろしく歪んでいて、海らしい空白はぐにゃぐにゃした紋様に埋められていた。
その「泉◯博物館」には、あってはならぬもの、表に出しては都合の悪いものがたくさんあるのだと誰かが言った。きっと大きな鏡や、黒かびに苛まれた壁や、ことこと音をたてる扉なんかがあるんだと思った。そこへ行くために、今から歩くらしい。「歩いて間に合うのか」と誰かが聞いた。「自由時間内に行けるだろ」と他の誰かが答えた。空は明るく、風は無かった。しかし暑くなかった。いくらでも歩けると思った。傍らには線路が延びていた。
田園を歩いていて、気づいた時には自分1人になっていた。おや他の人はどこへ行ったろう、道を間違えたかと振り向いて、さっき通り過ぎた家を見た。茶色い屋根とクリーム色の壁が、白い柵で囲まれていた。アイビーが絡みついていたかもしれない。ちょうどその家に赤い車が近づいてきた。その家の者らしい女性が車から降りて、何か袋をさげて家に入っていった。自分はなんだか引き返すのが馬鹿馬鹿しくなって、また歩き出した。しかし再び不安になって、振り返ると、さっきの赤い車がまた道の先から家へ近づいてきたところだった。
今度はそのまま向きを変えて家の方へ歩いていった。一歩踏み出すとあの女性が家から出てきて、丈の長いワンピースをひらめかして道を横切り、家の向いにある畑へ入っていった。また少し歩くと、再び女性が家から出てきて、道を横切り、畑に消えた。赤いワンピースが揺れていた。
博物館には行けなかった。